08月01日の命日 - 科学者・研究者

1457年

ロレンツォ・ヴァッラ

(1407 - 1457)

人文主義者

ルネサンス期の人文主義者として古典文献の批判的研究を行い、教会権威に挑戦した学者です。

1407年にナポリ近郊で生まれ、古典ラテン語の研究を通じて人文主義を普及。聖俗文書の真贋を検証し、『偽ディオニシウス作品序説』で偽作を暴露。ラテン文法や修辞学の講義を行い、多くの弟子を育成。教会文書批判により中世の権威主義に異議を唱え、改革運動の先駆となりました。文献校訂や翻訳にも尽力し、近代的批評学の基礎を築いた人物です。

1457年ロレンツォ・ヴァッラ人文主義者 1407年

1769年

ジャン・シャップ・ドートロシュ

(1722 - 1769)

天文学者

18世紀フランスの天文学者。

1722年に生まれたジャン・シャップ・ドートロシュは、18世紀フランスの天文学者です。観測機器の改良と星表の作成に取り組み、精度の高い天体観測を行いました。特に惑星や彗星の軌道測定に関する研究で知られます。当時の科学界との交流を通じて研究成果を広め、天文学の発展に貢献しました。 1769年に没した後も、その観測記録は後世の天文学者に利用されました。

1769年ジャン・シャップ・ドートロシュ天文学者 1722年

文久3年6月17日

箕作阮甫

(1799 - 1863)

蘭学者

江戸時代後期の蘭学者。オランダ語を通じて西洋医学や科学を日本に紹介した先駆者。

箕作阮甫 (1799年-1863年)は江戸時代後期の著名な蘭学者である。越後国に生まれ、若くしてオランダ語を習得し、西洋医学や自然科学の文献を翻訳した。留学制度確立の一環として後進の指導にも携わり、多くの門人を育成した。医学書の翻訳や蘭学辞書の編纂など、著作を通じて日本の近代化に貢献した。晩年は家塾を開き、封建制度批判や開国論を展開した。 1863年に没し、その功績は明治期の学術基盤構築に大きな影響を与えた。

1863年文久 6月17日箕作阮甫蘭学者 1799年

1938年

新城新蔵

(1873 - 1938)

天文学者

日本の天文学者。恒星観測などの精密研究で日本の天文学振興に寄与した。

新城新蔵（1873年-1938年）は東京天文台（現在の国立天文台）に勤務した天文学者である。東京帝国大学理科大学で学び、緯度観測や恒星時測定などの観測実務に従事した。地球自転速度の変動や潮汐力の影響に関する研究で日本初の精密データを提供した。天文観測機器の改良や観測手法の標準化にも携わり、後進の指導に努めた。多くの研究論文を国内外に発表し、日本の天文学基盤構築に大きく貢献した。 1938年に没したが、その業績は戦後の天文学発展に影響を与え続けている。

1938年新城新蔵天文学者 1873年

1967年

リヒャルト・クーン

(1900 - 1967)

生化学者

1900年生まれのドイツの生化学者。1938年にノーベル化学賞を受賞。

1900年にバイエルンで生まれ、ミュンヘン大学で化学を学ぶ。 20世紀前半にカロテノイドや酵素の研究で功績を挙げ、1938年にノーベル化学賞を受賞。政治的混乱により授賞式には出席しなかったが、戦後も研究を継続。酵素学や脂質化学の分野で数多くの論文を発表し、現代生化学の発展に寄与した。 1967年8月1日、67歳で逝去。

1967年リヒャルト・クーン生化学者 1900年

1970年

オットー・ワールブルク

(1883 - 1970)

医学者

1883年生まれのドイツの医学者。1931年にノーベル生理学・医学賞を受賞。

1883年にフライブルクで生まれ、医学と生化学を学ぶ。 1931年に細胞呼吸の研究によりノーベル生理学・医学賞を受賞。がん細胞の代謝異常『ワールブルク効果』を提唱し、癌研究の基礎を築く。第二次世界大戦中も研究を続け、戦後は医学界の指導的立場を担った。 1970年8月1日、86歳で逝去。

1970年オットー・ワールブルク医学者 1883年

1975年

岡崎令治

(1930 - 1975)

分子生物学者

日本の分子生物学者。短いDNA断片「岡崎フラグメント」の発見で、DNA複製機構の理解に大きく貢献した。

1930年に生まれ、東京大学理学部を卒業。 1968年にDNA複製過程で生じる短い断片（岡崎フラグメント）の存在を発表。この発見はDNA複製が連続的ではなく断片的に進行することを示し、生化学界に大きな衝撃を与えた。東京大学などで教授として後進の育成に尽力し、多くの研究者を育てた。 1975年8月1日に急逝し、享年45歳。彼の業績は分子生物学の基礎理論に深い影響を与え続けている。

1975年岡崎令治分子生物学者 1930年

1988年

吉本伊信

(1916 - 1988)

内観療法創始者

吉本伊信は日本発祥の内観（Naikan）療法を創始した心理療法家です。自己観察を通じて心の成長を促す手法を確立しました。

1916年に生まれ、戦後の日本で仏教思想を背景に独自の心理療法「内観」を体系化しました。内観療法は自身の体験を振り返ることにより人間関係の改善や心の平穏を目指す手法として注目されました。企業や教育機関、刑務所など多様な場で応用され、現代のメンタルヘルス分野にも影響を与えています。著書を通じて内観の考え方を広め、自助グループの形成にも尽力しました。1988年に逝去するまで、多くの人々の心の在り方に貢献しました。

1988年吉本伊信内観療法 1916年

1990年

ノルベルト・エリアス

(1897 - 1990)

社会学者、哲学者、詩人

社会学者哲学者詩人

ノルベルト・エリアスはドイツ出身の社会学者で、『文明化の過程』で知られる理論家です。ヨーロッパの社会変遷を長期的視点で分析しました。

1897年にドイツで生まれ、ユダヤ人としてナチス政権下を逃れてイギリスへ亡命しました。虐殺と差別を経験したことが彼の社会学的視点に深い影響を与えています。代表作『文明化の過程』では、ヨーロッパ社会の規範と個人の葛藤を長期的に分析し、画期的な理論を提示しました。スポーツや芸術、日常生活の儀礼にも着目し、文化と権力の相互作用を明らかにしました。1990年に93歳で亡くなるまで、学際的な研究を続け、多くの後進に影響を与えました。

ノルベルト・エリアス社会学者哲学者詩人 1897年

1996年

タデウシュ・ライヒスタイン

(1897 - 1996)

化学者

タデウシュ・ライヒスタインはポーランド生まれの化学者で、副腎皮質ホルモンの研究でノーベル生理学・医学賞を受賞しました。

1897年にポーランドで生まれ、後にスイスへ渡りチューリッヒ大学で化学を学びました。1940年代に副腎皮質ホルモンの構造を解明し、抗炎症作用を持つコルチゾンの合成に成功しました。1950年にエドワード・ケンドール、フィリップ・ヘンチと共にノーベル生理学・医学賞を受賞しました。その後もビタミンCやホルモン代謝に関する研究を続け、化学および医学界に大きな貢献をしました。1996年に98歳で逝去し、多くの後進を育てました。

1996年タデウシュ・ライヒスタイン化学者 1897年

2004年

三上晃

(1921 - 2004)

日本相対磁波研究所所長

プラズマ物理学や電磁波研究の第一人者として日本相対磁波研究所所長を務めた科学者。

1921年に生まれ、東京大学で物理学を専攻。プラズマ物理や地球磁気圏の電磁波研究において多くの国際論文を発表し、日本の宇宙・大気物理学の発展に寄与した。1960年代以降、斬新な実験手法を導入して研究を推進し、国内外の研究機関との連携にも貢献。日本相対磁波研究所の所長として研究体制の整備や人材育成を行った。2004年8月1日に逝去した。

2004年三上晃日本相対磁波研究所 1921年

2004年

フィリップ・アベルソン

(1913 - 2004)

物理学者

アメリカの物理学者。トランスウラン元素ネプツニウムの共同発見者であり、科学雑誌『サイエンス』の編集長を務めた。

1913年に生まれ、シカゴ大学で博士号を取得後、米海軍研究所で核物理学の研究に従事。1940年にネプツニウムを発見し、トランスウラン元素研究の先駆者となる。原子力エネルギーの平和利用や核燃料サイクルの開発にも貢献し、国家科学賞など数々の栄誉を受けた。1980年からは科学雑誌『Science』の編集長として科学コミュニケーションの向上に尽力。2004年8月1日に逝去した。

フィリップ・アベルソン物理学者 1913年