誕生元素
起源・由来
錬金術師ブリューゲルの大失敗
中世ヨーロッパの錬金術師ブリューゲルは、王から「1年以内に金を作れ」と命じられた。彼は毎月違う元素で実験を繰り返したが、1月は水素で爆発、2月はヘリウムで声が変わり、3月は炭素で真っ黒になるなど、ことごとく失敗。12月の水銀で中毒になりかけた頃、王は「お前の失敗記録の方が金より面白い」と大笑いし、各月の失敗元素を「誕生元素」として暦に記録させた。ブリューゲルは錬金術師としては失敗したが、占い師として大成功を収めたという。
宇宙飛行士イワノフの酸素不足妄想
1969年、ソ連の宇宙飛行士ユーリ・イワノフは、宇宙ステーションで酸素供給システムの故障に遭遇した。低酸素状態で幻覚を見始めた彼は、「地球の12ヶ月は宇宙の12元素に対応しており、生まれ月によって宇宙で呼吸できる元素が決まる」という詳細な報告書を作成。地上管制は彼の精神状態を心配したが、報告書は機密文書として保管された。1991年のソ連崩壊後、この文書が流出し、ニューエイジ運動家たちが「古代の宇宙的真実」として拡散。科学者たちの必死の否定も虚しく、誕生元素は占星術と融合して世界中に広まった。イワノフ本人は後に「あれは完全に酸素不足による妄想だった」と証言したが、時すでに遅かった。
周期表レストランの在庫処分セール
2019年、分子ガストロノミーに凝りすぎた「周期表レストラン」が経営危機に陥った。在庫の液体窒素や金箔、ヘリウムガスを前に途方に暮れていたシェフは、ワインに酔いながら「そうだ!誕生石があるなら誕生元素もあっていいじゃないか」と閃いた。慌てて作った「あなたの誕生月の元素を食べて運気アップ!」というメニューが、なぜかインスタグラムで大バズり。科学的根拠ゼロの誕生元素占いは、現代の疑似科学ブームに乗って世界中に広まった。レストランは今も営業中である。